私の愛は···幻

🎹再会と飛び入り?


翌朝、準備をして
ホテルを出る。

少しお洒落なワンピースを着た。
ライラは、温子さんと後でくる。
ライラの頬にキスをして
温子さんにお願いする。

タクシーで音大へ。


式典は、10時から。
学長室へ案内された。

中には、京子先生とご主人の岡本様が
いて、ご挨拶をする。

「京子先生。
本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。」
「天音ちゃん。
わざわざ、ありがとう。
あなたが来てくれて
本当に嬉しいの。」
と、先生が言うと
「決まった日から
天音ちゃんに会えると
うるさくて。」
と、ニコニコ笑いながら
話してくれる岡本様。

学長にも
当時の事をもう一度お詫びをすると
「ご両親やご親族を亡くされて
そんな気持になれないことは
わかっていたからね。
ずっと気に病ませて
こちらの方が申し訳ない。」
と、言って貰えた。

時間になり式典が始まる。
京子先生は、
「天音ちゃん、また後で。」
と、ウィンクをされて行かれた。
ん?と、思うが、先生と学長に頭を下げる。

①学長の話し
②京子先生からのお話し
③学生代表からの言葉
④花束贈呈
 私の出番だ。
たくさんの拍手の中で
「先生、本当にお疲れ様でした。
沢山の生徒に代わりまして
ありがとうございました。」
と、伝えて花束を送る。
先生は、涙を拭きながら
私や生徒の皆さんに
お礼を言った。

そこで、場内が暗くなり
ピアノにスポットライトがあたる。
紺の燕尾服を着たアルが片手に
ライラを抱いて現れた。
会場内は、パニック?
アルは、京子先生と握手をして
学長に頭を下げて
私を見てにっこり笑いライラを渡し
ピアノの前に立ち
会場内を見渡して頭を下げる
場内は、きゃーっ、きゃーっ
ざわざわと大変。
だが、流石に音大生だ。
アルが、椅子に腰掛けると
場内は、シーンと。
アルは、一曲だけ
気持を込めて弾いた。

終わってから拍手が鳴り止まず
京子先生が
『アルフレッド・ブレンデルさん。
本日は、ありがとうございました。』
と、言うと学長や全ての教授が
立ち上がり拍手をする。
アルは、京子先生に頭を下げて
『京子先生のお祝いもありますが。
我が愛しの妻を追ってきました。』
と、言うと通訳の方が
少し困りながら皆さんに伝えて
笑いが起きた。
アルは、私の元にきて
私の腰を引き寄せて
ライラのおでこにキスをした。
アルの妻が私だと皆さんわかり
またまた、大騒ぎ。
『皆さん、私が今日
日本にいたことは内緒に
してくださいね。』
と、言って頭を下げるから
私も一緒に頭を下げると
沢山の拍手が湧いた。
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