エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
『煌斗くんなら安心だ』と、父がやっと言ってくれた時は嬉しかった。
『もしふたりが結婚するなら、きっと悠慎も喜んでくれるわ』
母はそんなことも言っていた。
兄が、煌斗と優杏を結ぶキューピットになったと思いたいのだろう。
崩れた庭については、これは天災だから業者に任せるしかないと両親も納得したようだ。
ただ、ふたりとも家に帰って庭を見る勇気は無さそうだ。
鈴原紀之に元通りにしてもらえたらそれでいいという言うだけだ。
無理強いも出来ず、優杏は電話を切った。