エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
それからふたりはイングリッシュガーデンの方へ足を向けた。
紫陽花の群生している向こうにちらりと人影が見えた。
「鈴原さん」
「あ、優ちゃん!」
何人かのスタッフと共に鈴原が作業を始めていたようだ。
優杏が声をかけると、走ってやって来た。
「大丈夫だった? 心配してたんだ」
「さっそくありがとうございます。すぐに来て下さって」
「湘南の秋本さんから連絡もらってたんだ……僕に工事は任せるって言われたよ」
「そうなんです。まだここに帰ってくる気はなさそうで」
「優ちゃんはどこにいるの? これじゃあ住めないだろうと思ってたんだ」
「あ……今は、片岡さんのところに……」
「は?」
そこで、やっと紀之の視線が優杏の隣に立っていた煌斗に向いた。
「おはようございます」
煌斗は、平然と挨拶をした。
「片岡家にいるって……どういうこと?」
紀之はその意味がピンときていない顔をしている。