エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「疲れているのに申し訳ないが、もう少し付き合ってくれ」
荷物を受け取ったあと、駐車場へ向かいながら煌斗が言った。
「どこかへ行く予定なの?」
怪訝な顔で、優杏が煌斗に尋ねた。成城の家に帰ると思っていたのだろう。
空港から何処へ行くのかと心配そうだ。
「婚姻届けを出しに行くんだ」
「え?」
帰国してすぐ役所に行くと聞かされて、優杏が立ち止まってしまった。
「婚姻届……?」
人が多くて危ないから、優杏の腰に手を回すと煌斗は歩くように促した。
「あれは24時間、年中受け付けてくれるからな」
「煌斗さんたら……」