エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
ソファーに座って庭を見ると、穏やかな日差しが庭の草花をいっそう美しく感じさせてくれた。
(こんな気持ちは忘れていた)
仕事に追われ、自然の景色なんてゆっくり見たのはいつ以来だろう。
ニューヨークにも公園はあるが、散歩したりのんびり眺めたりする時間は無かった。
(悠慎、やっと帰ってきたのにお前はいないんだな……)
我が家のように過ごしていたこの家での思い出が、心に浮かんでは消えていく。
幼い頃は暗くなるまで遊んだし、高校からはサッカー部の仲間も加えて、
まるで合宿でもしているようにこの家で過ごしてきた。
(遠いな……)
思い出も親友も、もう手の届かないところに行ってしまった。
煌斗が感情を押し殺すように庭を見つめていたら、優杏が日本茶を運んできてくれた。
「どうぞ」
「ありがとう」
ひと口飲むと、まろやかで懐かしい味がした。