エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「ああ……よろしく」
張り合ってもキリがないと思った煌斗は、鷹揚に答えた。
「じゃあ優ちゃん、チョッと仕事の話いいかな?」
「はい。大丈夫ですよ」
紀之が優杏にニコニコ笑いながら声をかけるのを横目で見ながら、
時間も気になった。そろそろ仕事に戻らなければいけない。
彼は煌斗の方へは、『早く帰れ』という冷たさで視線を向けている。
「仕事に戻るから失礼するよ。じゃあ、また」
取りあえずそう言い残して、煌斗は秋山家を後にした。
彼は優杏への好意を隠さない鈴原の態度にカチンときながらも、
大人げなく張り合うことはできないと冷静になったのだ。
残念だが、まだ自分はスタートラインに立てていない。
(優杏は俺のこと、兄の代わりとしか思っていないのか?)