OL 万千湖さんのささやかなる野望
「……なにそれ、質問?」

 万千湖は頷いた。

 100均でお弁当箱を買ったことがまだなかったのだ。

「えーと……。
 ほんとは駄目かも。

 でも、私は入れちゃうわ、食洗機に」

 そうなんですか、と万千湖が言うと、
「100均のは意外と可愛いのが多いわよ。
 あっ、私とかぶらないでよっ」
と彼女は言ってくる。

「あなたが捨てなかったら、100均で買わなくていいから、かぶらないですよ」

 なんで捨てるんですか、私のお弁当箱、と万千湖が言うと、彼女は怒りが再燃したらしく、また怒鳴り出す。

「だって、途中入社してきたばかりの子が、なんで雁夜課長に手作り弁当とか食べさせてんのよっ。

 しかも、課長がお弁当箱洗ったとかっ」

 うらやましい~っ、と彼女が叫んだそのとき、彼女の仲間たちが焦ったように彼女の肩を叩いた。

 振り返ると、駿佑が立っていた。

「なにか揉めているのか」
と訊いてくる。
< 28 / 618 >

この作品をシェア

pagetop