辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
どういう意味かわからなかったが、殿下は言葉を続ける。

「もう一度、俺を見てほしい。そしてアンネの父親としても」

真剣な瞳に私は拒否するセリフが思いつかない。

「殿下……」
呟いた私に、昔のように彼が私に囁く。

「フェリーネ、アレックスだ」
「でも……」
躊躇する私に、殿下は少し困ったような、思案するような表情を浮かべた。

「呼ばないと、抱きしめて口づけをしてしまうよ」

いきなりの言葉に私は、目を見開く。

「アレックス様」
小さな声で呼べば、彼は嬉しそうに微笑んだ。

「許してくれるまで、どんな償いでもするから」
そっと私の頬を撫でた後、アレックス様は立ち上がった。

「グレッグの処分は俺に任せてくれるか?」
今までとは違う、かなり怒りを含んだ声音に私はただ頷いた。
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