辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
優しい声でアンネの背中をやさしく撫でながらアレックス様はそういうと、アンネを抱いたまま私のそばまでやってくる。

「フェリーネが俺なんかを心配してくれただけで満足だ。アンネを頼む」
その言葉に私も立ち上がり、アンネを受け取ろうとすればアレックス様はもう一方の手で私を抱き寄せた。

「これだけは許せ」
危険な場所に行くということを嫌でも実感してしまい、私は拒むことなどできない。

「お気をつけて」
彼の腕の中はやはり温かくて、なぜか泣きたくなる。

「行ってくるよ」
アレックス様はアンネに笑顔を向けた後、私にアンネを渡すとそっとアンネの頬を撫でる。

「お母様のいうことをきちんと聞くんだよ」

「やめてください!」
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