辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
戻らない可能性もあるようなその物言いに、私は声を上げる。そんな私に微笑みながら先に広間を出ていこうとする彼を私は呼び止めた。

「アレックス様」

アンネを床に下ろすと私はいつも身に着けているネックレスを外す。
これは母から譲り受けた数少ないもので、私の少ない魔力をまとわせている。少しでも治癒が施されるようにとそれを握りしめる。

「おかーたま、あーも」

ぴょんぴょんと飛びながら私の意志を欲しがるアンネに、私は頷いて見せる。

「お父様のご無事を祈ってくれる?」
私がお父様と発したことに、アンネ以上にアレックス様が驚いた表情を浮かべた。
そんな彼に少し羞恥からか、落ち着かなくなり私は慌ててアンネに石を渡す。
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