辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
戻ってこなければ、再会した意味がない。

少し怒りにも似た気持ちが沸き上がりながら、窓の外に視線を向けた。
嫌な色の雲が覆う空に不安が襲いそうになるのを抑える。

きっと大丈夫。

アレックス様はきっと。



Side アレックス

ずっと一人で戦いに行くことも、命を落とすことも怖くなかった。

第二王子ということで、身を呈して国を守ること、それが自分の役目だと信じて疑ってこなかった。

兄上よりも魔力が強いのも、生まれ持った宿命であり、そのことを利用するような人間が出てこようものならば、自分など必要ない、そう思って生きてきた。

しかし……。

抱き上げたわが娘アンネの温かい心地よい重み、そして二年ぶりに抱きしめたフェリーネに今までの感情が揺るぐのが分かった。
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