辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
自分よりも愛しく、大切なものが存在した。もちろん、二年前フェリーネと出会った時も、少なからず愛しい気持ちと守りたい気持ちもあったし、もちろんフェリーネを迎えに行くつもりだった。

しかし、今となればあの時の俺は、まだ国のためと言いながら、自らの命すら軽んじていたのかもしれない。生死を彷徨ったときも、フェリーネに会えないと知った時も仕方がない。そんな気持ちでいたと今ならわかる。
グレッグだけが悪いわけではない。フェリーネに辛い思いをさせたのはすべて俺の未熟さだったと今ならわかる。

「さあ、俺はこんなものにかまってなどいられないんだ」

森の奥深くに仕掛けられた魔法陣の近くへと転移すると、俺は小さく一人呟いた。
大切な女性、そして我が子すら守れないような男が国を守れるわけがない。
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