辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
一度過去に捨ててしまった“愛”という心を取り戻すのは怖すぎた。

しかし、アレックス様に抱きしめられた感触がいまだ私の全身から消えることはなく、ギュッと自分自身を抱きしめた。

「おとーたま」

寝言なのだろうか、アンネの呟いた声にそっと娘の頬を撫でた。

しかし、それから三日経ってもアレックス様が戻られることはなかった。

「フェリーネ、顔色が悪いよ。きちんと食べているのかい?」
コレットさんに心配そうに声をかけられ、少し苦笑する。

「お互い同じではないですか?」
私以上に憔悴しきって見える彼女に、問いかける。

「そろそろ限界に近いみたいだね……」

食堂でアンネに夕食を食べさせていた私だったが、まったく食欲がなく用意されたスープを見つめた。

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