辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「国王様にお伝えしてお探しいただくことはできないのですか?」
簡単ではないことなどわかっているが、どうしてもまだ可能性を拭えず私は必死に問いかける。

「もちろん、それはできます。しかし、国王が動けば必ず侯爵に知られることになるでしょう。内通者が誰かいまだにわかっていないのです。もし、アレックス殿下の生死がわからないとなれば、好機とばかりに必ず誰かが動くはずです。フォルク大公にとってアレックス様の魔力が一番の脅威のはずなのですから。万が一、また二年前のようにアレックス殿下が病床に伏せられる、もしくはこのまま戻らないなどとなれば……」

沈痛な面持ちで話すその言葉に、ことの重大さを思い知る。

フォルク大公がそれほどまでに王位にこだわり、このような大それたことをするなんて。
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