辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
まだ重たい身体で、なんとかアンネを抱き上げると、城の一番奥のアレックス様の部屋へと急ぐ。

「フェリーネ、急に走ったらだめだよ!」
アレックス様の部屋へ着いた私だったが、厳重な警備兵が配置されていて、そこで私は止められた。

「殿下に会わせてください!」
何度か顔を見たことがある兵士だったが、少し申し訳なさそうな表情を浮かべた後、首を振る。

「いくらフェリーネでも今の殿下に会うことは許されない」

その言葉に私はその場に座り込んだ。当たり前だがいつも彼の方から私たちに歩み寄ってくれていたから一緒にいられただけで、私では彼に会うことすらかなわない。

それは今のアレックス様の容態も関係しているのだろうが、固く閉ざされたその扉の前で私はアンネを抱いたまま自分の無力さを痛感する。

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