辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
私が制するもアンネはすでに部屋の中だった。小さくお辞儀をしてアンネの後を追うように部屋へ入ると、天蓋がついた金色で縁取られた大きな寝台にアレックス様が眠っているのが分かった。

かなり広い部屋だが、カーテンが引かれ厳重に結界が張られている。この容体が知られないようにしているのだろう。左半分の色が変わっており、私はその状態に息をのむ。

「子供には見せたくない容体だよ」

マルク様の言葉に、私は小さくうなずいてアンネを抱き上げてアレックス様から離そうとするも、アンネは「やー」と声を上げる。

「おとーたま、なおすの」
その言葉に私はハッとする。傷ついた動物を治してしまうアンネ。今のアレックス様の状態がわかるのだろうか。

「アンネ、待って。まずはお母様が先に治してみるからね」
「やー!」

< 144 / 244 >

この作品をシェア

pagetop