辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
そう言いながらアレックス様は、首に下げていた石を私に見せる。
渡した時より、輝きがなくなっているその石は、役目を終えたようにも見える。

アレックス様は首からそれを外すと、私の手の上に乗せる。そうするとその石はまた同じように光を取り戻した。

「フェリーネの魔力が込められていたんだな。それに助けられた。なければここに戻っていないだろう」
その状況に私はギュッと唇を噛んだ。

「フェリーネ、本当にありがとう」
「アレックス様……」

何度も繰り返される“ありがとう”という言葉に、私は彼がようやく無事に戻ってきたことを実感して、少し涙ぐんでしまう。それを隠そうと俯いたところで彼から言葉が降ってくる。

「今は三人だ。少しわがままを言おうかな」
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