辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
Side フェリーネ

「キャー!」
目を開けた私は、耐えきれず声を上げていた。床で眠っていたはずなのに、なぜか温かい、そう思ってはいた。

しかし、まさか目の前に綺麗な顔があるなど想像もしていなかった。

「なんだ、騒がしいな」

まだ寝ぼけているのか、アレックスさんが目をこする。

「ど……どうして……」

まだ現実が受け入れられず、わなわなと震えながら身体を起こすと、あろうことか彼は私の腕を引く。

「昨日の毒がまだ抜けていないかもしれない。もう少しだけ眠らせてくれ」

私を一緒に毛布の中に囲い入れようとする彼を、私は慌てて力任せに押し返すと、彼がウッと声を上げた。

病み上がりに強く押しすぎただろうか。そう思い急いで彼の顔をのぞけば、クスリと意地悪そうに笑われた。
< 17 / 244 >

この作品をシェア

pagetop