辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「ふざけましたね!」

怒りから私はベッドから飛び出すと彼に叫ぶ。しかし、上から見下ろした彼は、まだ顔色が万全ではなさそうに見える。

病人相手に喧嘩まがいのことをしても仕方がないと、私は大きく息を吐いた。

「何か食べられそうですか? 昨日の状態からここまで回復しているのは驚きますが、まだ万全ではありませんよね?」

ため息交じりに尋ねると、彼は小さく肩をすくめた。

返事がないので、私は自分の朝食もかねて、全粒粉のパンを切り、昨日のキノコのスープを温める。

こんなものしかないが、彼は食べるだろうか?
そう思いながら台所で料理をしていると、彼は立ち上がり、クルリと首を回した。

そこで私はふと思う。こんな森に一人で来たのだろうか?

「アレックスさん、あの」
呼びかけた私に、彼は私を見て言葉を遮った。
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