辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「アレックスでいい」
「でも……」
いきなり呼び捨てにしていいと言われ、私は戸惑ってしまう。私の本当の身分からすれば問題ないかもしれないが、今はこんな場所にいる人間だ。

「俺もフェリーネでいい?」
軽く言われ、私は深く考えても仕方ないと思い、頷いた。
ここでは何のしがらみもないのだから、彼がそうでいいと言うのなら、その通りにしよう。

そう決めると、私はもう一度口を開いた。

「アレックス、こんな森に一人で来たんですか? 誰かご一緒ではなかったのですか?」
当然の質問に、彼も何でもないように言葉を続ける。

「ああ、一人だよ。だから誰かに連絡をしたりする必要もないし、帰るところもない」
やたら最後のセリフが強調された気がして、私は言葉に詰まる。
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