辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
私のいきなりの言葉に、全く意味がわからなかったのだろう。アレックス様が問い返した。



「今までお話せずに申し訳ありません」

私はそこで一度言葉を止めた。このことを話せばアレックス様は何と思うだろう。どうして今まで話さなかったのかとお怒りになるかもしれない。でも、もう話さないわけにはいかない。

「私の本当の名はフェリーネ・アン・サバティーニといいます」
なんとかそれだけを口にすると、アレックス様は閉口する。

「なんだって?」

「元婚約者のソフィアネッタは母違いの妹でした」
“でした”と過去形なのは事実だ。辺境の地に追いやられ、金輪際伯爵家の名を使うなと言われた私だ。

「どうして……」
そのことをもっと早く言わなかった、そう言われても仕方はない。でも……。

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