辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
この二人の部屋は王宮の一部屋なのにとても暖かくて、二年前フェリーネと過ごした部屋のような心休まる空間だ。そして俺は思い知る。
そこにフェリーネがいればどこでも俺にとって安らげる場所になることを。

隣を見ればいつの間にか、先ほどまでフェリーネにくっついていたアンネが俺と彼女の真ん中で眠っている。
その姿だけで愛しさがこみ上げる。愛ある結婚なんてできるわけもないし、愛する人など見つかるわけもないと、自分の命を粗末にしていた俺だったが、今は自分より何よりこの二人が愛しい。

そのために、俺はさらに強くなって守らないければいけない。

「フェリーネ、アンネ、愛しているよ。フェリーネ、早く俺に落ちて」

眠るフェリーネに呟いてみる。
愛を囁いて、触れて、フェリーネを感じたい。笑うフェリーネも怒るフェリーネも、母親の彼女もすべてを愛している。
だからこそ、絶対にフォルクの悪事を暴いて、平和な国を築かなければ。

「おとーたま。いっしょよ……」
アンネの寝言だが、夢の中でも一緒と言ってくれたことに嬉しさが募る。
これぐらい許してくれるよな。そう思い俺はシーツにもぐり込む。

その夜、初めて家族三人で眠った。


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