辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
それからあっという間に四週間が経ち、なんだかんだ言いながら、私たちは小さなベッドで眠り、アレックスが採ってきた魚や、街で買った食材で一緒に食事を作ったり、薬草を作ったりと楽しい日々を送っていた。

アレックスは森に出かけては、魚やキノコ、薬草を取ってきてくれる。町で高価で売れる石などにも詳しく、私の家計もとても助かっている。

そんな私たちを見て、「結婚をしたの?」と町の人に尋ねられることもよくあり、どう答えるか思案している私をよそに、アレックスは「ええ」と自然に答えている。

どういうつもりでそう言っているのかはわからないが、私もそれを否定することはしなかったし、むしろ心の中で嬉しささえあった。

昔から虐げられ、幸せな結婚など考えてもいなかった。
生家にいたとしても、きっと勝手にどこかの知らない人に嫁がされていたかもしれない。
そんな私が、アレックスと知り合え、夫婦の真似事だけでもできることは幸せだ。

「フェリーネ。どうした?」
今日も一緒に街からの帰り道を歩いていた私たちだったが、こんなことを考えていたせいで、どうやら私は立ち止まっていたようだ。
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