辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
前を歩くアレックスが心配そうに立ち止まり、私を見ていた。
「なんでもありません」
笑顔を作って頭を振った私に、彼は小さく息を吐くと、私のところまで引き返してきた。
そして、荷物を持っていない空いている方の手で、私の手を取った。
「奥さん、さあ帰ろう」
その言葉に驚いて目を見開きながら彼を見れば、優しい瞳がそこにあった。
好きだな……。
不意に感じたその気持ちに、私はハッとする。そうだ、いつの間にかただ転がり込んできたこの人のことを、大切に思っているし、ずっといてほしいと思ってしまった。
いつか帰ってしまう人なのに、こんな気持ちになってはいけないと思う自分の気持ちをずっと止めてきたが、認めてしまえば加速する一方だ。
繋がれた手が温かくて、そのぬくもりが嬉しくて。泣きたくなるのを私は何とか耐えていた。
「なんでもありません」
笑顔を作って頭を振った私に、彼は小さく息を吐くと、私のところまで引き返してきた。
そして、荷物を持っていない空いている方の手で、私の手を取った。
「奥さん、さあ帰ろう」
その言葉に驚いて目を見開きながら彼を見れば、優しい瞳がそこにあった。
好きだな……。
不意に感じたその気持ちに、私はハッとする。そうだ、いつの間にかただ転がり込んできたこの人のことを、大切に思っているし、ずっといてほしいと思ってしまった。
いつか帰ってしまう人なのに、こんな気持ちになってはいけないと思う自分の気持ちをずっと止めてきたが、認めてしまえば加速する一方だ。
繋がれた手が温かくて、そのぬくもりが嬉しくて。泣きたくなるのを私は何とか耐えていた。