辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
いつも通り薬屋に作ったものを売り、その足で必要なものを買うために街を歩く。
隣で一生懸命歩くアンネに、優しくみんなが声をかけてくれて感謝しかない。

「フェリーネ、今日はこのリンゴがおいしいよ。アンネにどうだい?」
店の前に出されたワゴンに、たくさんのリンゴが積んであるその光景に、アンネも手を伸ばす。

「そうね、パイでも焼こうかしら」
私もアンネも大好物のリンゴのパイを焼くことを考えていると、数軒先の店先でロゼが私を手招きしているのが見えた。

「フェリーネ」

「帰りに取りにきてもいいですか?」
「もちろんだよ。袋に入れておくよ」
優しいその声にお辞儀をすると、私はロゼの店へと向かう。

まだ昼前ということで、それほど混んでいないようで、ロゼは私を店の奥へと招き入れる。

「アンネにはミルクでいい?」
「ありがとう」
カップに入れてもらったミルクを一生懸命飲んでいる姿を見ながら、ロゼが入れてくれたお茶に手を伸ばす。

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