辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
久しぶりによく眠った。

そう思った瞬間、私は意識が覚醒した。よく眠ったじゃない!
勢いよく起き上がると、まだ眩暈がしてベッドに手をついた。

え? その感触がいつもの固いベッドではなく、私は視線を下へと落とした。
ふわふわとしたマットに、絹だろうか、とても肌触りのよい高級な寝具。
ここはどこ? 王子殿下が目の前にいたことまでは記憶にある。そしてアンネ……。

「アンネ!」

私が叫び声をあげても、広すぎる部屋にその声が響いただけだった。
昔私がいた屋敷以上に豪華な調度品に囲まれた広い部屋には、大きな窓があり、広い庭が広がっているが、明らかに見慣れたレントリオールの我が家ではないことがわかる。

「よかった。目が覚めたのね」
ハッとして振り返れば、そこには五十代ぐらいの女性が立っていた。いかにも侍女といったその人に、私は矢継ぎ早に尋ねる。
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