辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「あなた、かなり熱があったのよ。まる三日も眠っていたんだから。今から帰るなんて無理よ。あんな娘さんを面倒見られるの? アレックス殿下の城だから、ゆっくりしていくといいわ。お優しい人だから」
三日も眠っていたことに唖然としてしまうが、そんな場合ではない。
殿下と一緒の場所になどいられるはずはない。

「ああ、私はコレットと言って、アレックス様を小さいころからお世話させていただいていたの。珍しく私を呼ばれたから何事かと思ったけど、あなたのお世話だったわ」
殿下がわざわざ私のために、彼女を呼んだことに申し訳なさが募る。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。申し遅れました。フェリーネと申します。娘はアンネといいます」

「いいのよ。アレックス様はいつも視察に出かけるときは、食事もきちんと取られないから心配しているのだけど、いつも一緒に行くというのを断るから」
ブツブツと言いながら、コレットさんは小さくため息をついた。
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