辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「アレックス様からも、あなたを帰さずにきちんと体調を戻すようにと仰せつかってますからね」
コレットさんの言葉に呆然としてしまう。
帰さずにとわざわざ言って出かけたということは、やはり話があるのだろう。

それに、アンネを連れて今の体調で旅をするのは難しいかもしれない。

身の回りのものはもちろん持ってきていないし、お金もない。

帰る手段はないに等しいのだ。
彼とやはり一度話さないと、どうにもならないのかもしれない。

私は知らず知らず大きなため息が漏れた。

アンネに会いたい。アンネの顔を見て安心したい。
それだけを思う。

「アンネのところへ案内してもらっていいですか?」

そう頼むと、ベッドからゆっくり立ち上がった。
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