辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「危ない!」
走り出したと同時に、やはり娘はバランスを崩して噴水の中へと落ちるのが分かった。

すぐに魔法を発動するも間に合わず、少しだけ落ちるのを遅らせただけだった。

無我夢中で噴水に入り娘を抱き上げれば、腕の中で大きな泣き声を上げる。

「大丈夫か?」

水も飲んでいないようで、ただ驚いたのだろう。抱き上げれば、ピタッと俺の胸にくっついて泣き止んだ。
そのことにホッとする。その重みが新鮮で、愛しさを感じた。

小さな体を抱いて、噴水の外へ出ると、その騒ぎにたくさんの人が集まってきた。

「アンネ!」
城の中からメイドと同じ制服に身を包んだフェリーネが、血相を変えて俺の前へとやってくる。

「殿下、申し訳ありません。ありがとうございます」
泣きそうな顔で駆け寄り、持っていたタオルで娘を包んだ後、俺にもタオルを渡す。
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