嘘よりも真実よりも
パーティーなんていう、華やかな世界は私に無縁で、むしろ、縁などあってはいけなかった。それなのに、いったいどういう風の吹き回しなのだろう。
「取引先の方を呼んでの親睦会というのかな。清貴も来るって言ってたしね、気楽な気持ちで参加してくれたらいいよ」
「でも……」
「少しずつ、社交の場になれていかないと」
「どうして?」
「いつか、みちるも結婚するからだよ」
慈愛に満ちた彼の目を見たら、ため息が出た。
清貴さんはずっと富山の家にいていいんだよ、と言ってくれたけど、仁志さんは違う。はやくひとり立ちしてほしいって思ってるんだろう。
以前、清貴さんに男性を紹介してもらった時、仁志さんは無理に彼氏なんて作らなくていいんだよと言ったけど、すぐに別れてしまったから心配してるのかもしれない。
私自身、結婚願望もないし、許されるなら、富山の家にずっといたいと思っていたけれど。
「わかりました」
沈んだ声で頭を下げたら、仁志さんは心配そうに眉を寄せつつ、言う。
「ドレスは今日、届く予定だから、一度着てみて。パーティーには清貴と一緒に来るといい」
「何から何までありがとうございます」
「いいんだよ。俺が、来てほしいんだから」
仁志さんは柔らかな笑みを見せる。
「取引先の方を呼んでの親睦会というのかな。清貴も来るって言ってたしね、気楽な気持ちで参加してくれたらいいよ」
「でも……」
「少しずつ、社交の場になれていかないと」
「どうして?」
「いつか、みちるも結婚するからだよ」
慈愛に満ちた彼の目を見たら、ため息が出た。
清貴さんはずっと富山の家にいていいんだよ、と言ってくれたけど、仁志さんは違う。はやくひとり立ちしてほしいって思ってるんだろう。
以前、清貴さんに男性を紹介してもらった時、仁志さんは無理に彼氏なんて作らなくていいんだよと言ったけど、すぐに別れてしまったから心配してるのかもしれない。
私自身、結婚願望もないし、許されるなら、富山の家にずっといたいと思っていたけれど。
「わかりました」
沈んだ声で頭を下げたら、仁志さんは心配そうに眉を寄せつつ、言う。
「ドレスは今日、届く予定だから、一度着てみて。パーティーには清貴と一緒に来るといい」
「何から何までありがとうございます」
「いいんだよ。俺が、来てほしいんだから」
仁志さんは柔らかな笑みを見せる。