嘘よりも真実よりも
ホッとできる笑顔を見せてくれるから、自然と私の表情もやわらぐ。母が富山夫妻に大事にされていたように、私も彼らに大切に思われている。
心を許せる人はごくわずかだった。元カレの飯沼基紀さんとお付き合いしたのだって、清貴さんが紹介してくれた人だから、だった。
優しい人だったから、ある一定の愛情は持っていたし、望んでくれるなら、結婚してもいいとも思っていた。だけど、飯沼さんは私と一緒にいると疲れてしまうと去ってしまった。
結婚なんて無理だろう。そう思うようになったのは、飯沼さんと別れてからだった。
男性とのお付き合いに憧れを抱いていた気持ちは今はもうなくて、出会う機会すらなくてもいいと思ってて、パーティーに参加するなんて考えてもいなかった。
帰り道、富山ビルを振り返ったら、名刺をくれた金城総司を思い出した。
彼もパーティーに来るのだろうかと思ったが、なぜそんな風に思ったのかとふしぎに感じるほど、どこか他人事だった。
パーティーには行くけど、すぐに帰ろう。富山家にずっといられるように、私は富山家に尽くすしかない。今も昔も、富山家にしか、私の居場所はないのだから。
心を許せる人はごくわずかだった。元カレの飯沼基紀さんとお付き合いしたのだって、清貴さんが紹介してくれた人だから、だった。
優しい人だったから、ある一定の愛情は持っていたし、望んでくれるなら、結婚してもいいとも思っていた。だけど、飯沼さんは私と一緒にいると疲れてしまうと去ってしまった。
結婚なんて無理だろう。そう思うようになったのは、飯沼さんと別れてからだった。
男性とのお付き合いに憧れを抱いていた気持ちは今はもうなくて、出会う機会すらなくてもいいと思ってて、パーティーに参加するなんて考えてもいなかった。
帰り道、富山ビルを振り返ったら、名刺をくれた金城総司を思い出した。
彼もパーティーに来るのだろうかと思ったが、なぜそんな風に思ったのかとふしぎに感じるほど、どこか他人事だった。
パーティーには行くけど、すぐに帰ろう。富山家にずっといられるように、私は富山家に尽くすしかない。今も昔も、富山家にしか、私の居場所はないのだから。