嘘よりも真実よりも
募る思い
***
テレビをつけたら、いつものニュースはやってなくて、今日は日曜日だったと思い出した。
昨夜の出来事で、気もそぞろになっているのだろう。帰宅後、はやく眠ってしまいたかったのに、何も考えずに過ごすなんてできなくて、今の今まで、頭の中は総司さんのことでいっぱいだった。
「みちる、おはよう」
突然後ろから声がして、ビクッと肩を震わせる。ひどく驚いたように見えたのだろう、リビングに入ってきていた清貴さんが、おかしそうに笑っている。
「あっ、お、おはようございます」
「二日酔いは大丈夫?」
「はい。清貴さんも?」
「俺は案外、酔わないから」
清貴さんは得意げににやりと笑うと、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。
富山家の朝は自由だ。好きな時に起きて、好きなものを作って食べる。
買い物は任されているけれど、仁志さんはほとんど外食だし、清貴さんは私と生活スタイルが似ていて、私が食べるものを食べてくれる。今朝も、コーヒーとトースト、フルーツでじゅうぶんだろう。
「すぐにトースト焼きますね」
「ありがとう。なあ、みちる、パーティーはどうだった?」
「えっ、どうって?」
キッチンに入ると、食器棚の前に立っていた清貴さんが、コーヒーカップを手に私の目をのぞき込む。
「あわててるね。いい男でも見つかった?」
「そ、そんなことありません」
「そう? みちるを追いかけて会場を出ていく男がいたって、何人かから聞いたけど?」
「追いかけるだなんて……、少しだけ知った人がいただけです」
テレビをつけたら、いつものニュースはやってなくて、今日は日曜日だったと思い出した。
昨夜の出来事で、気もそぞろになっているのだろう。帰宅後、はやく眠ってしまいたかったのに、何も考えずに過ごすなんてできなくて、今の今まで、頭の中は総司さんのことでいっぱいだった。
「みちる、おはよう」
突然後ろから声がして、ビクッと肩を震わせる。ひどく驚いたように見えたのだろう、リビングに入ってきていた清貴さんが、おかしそうに笑っている。
「あっ、お、おはようございます」
「二日酔いは大丈夫?」
「はい。清貴さんも?」
「俺は案外、酔わないから」
清貴さんは得意げににやりと笑うと、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。
富山家の朝は自由だ。好きな時に起きて、好きなものを作って食べる。
買い物は任されているけれど、仁志さんはほとんど外食だし、清貴さんは私と生活スタイルが似ていて、私が食べるものを食べてくれる。今朝も、コーヒーとトースト、フルーツでじゅうぶんだろう。
「すぐにトースト焼きますね」
「ありがとう。なあ、みちる、パーティーはどうだった?」
「えっ、どうって?」
キッチンに入ると、食器棚の前に立っていた清貴さんが、コーヒーカップを手に私の目をのぞき込む。
「あわててるね。いい男でも見つかった?」
「そ、そんなことありません」
「そう? みちるを追いかけて会場を出ていく男がいたって、何人かから聞いたけど?」
「追いかけるだなんて……、少しだけ知った人がいただけです」