嘘よりも真実よりも
「金城の専務ってことは、まあ、それなりの男だよな。みちるが美人だから目をつけたってとこだろう」
「金城さんとはそういうのではないんです」
「みちるがそう思ってるだけなんじゃないのか?」
他人の色恋沙汰が楽しいのか、清貴さんはにやにやする。
「金城さんと私とでは、全然つり合いません。ただご挨拶する程度の関係です」
「かたくなだなぁ。飯沼に何言われたか知らないけど、みちるは何も悪くないし、自信持っていい。好きな男に遠慮する必要ないよ」
飯沼さんが傷つけたから、私が恋愛に消極的だって、彼は思ってるみたい。
「飯沼さんは関係ないです。金城さんともわざわざお会いしたりしません」
「いい男に誘われたら、デートぐらいしてもいいんだよ」
「全部誤解ですっ」
「そんなに強く言わなくても」
あきれつつも、苦笑いする清貴さんは、コーヒーメーカーの前に移動する。いつの間にか出来上がっていたコーヒーをカップに入れ、テーブルに並べていく。
「朝からにぎやかだな。清貴、俺にもコーヒーを頼むよ」
「あ、兄さん、はやいな」
「仁志さん、おはようございます」
リビングに姿を見せた仁志さんに頭を下げる。遅くまで飲んでいたはずなのに、疲れた様子のない彼はいつもと変わらず、さわやかに微笑む。
「ああ、みちる。俺もトーストもらっていいかな」
「はい。先日、美味しそうな柿ジャムをいただいたので、仁志さんもよろしければ」
「それはいいね。そうしよう」
「すぐに焼きますね」
腕まくりする私から離れようとした仁志さんは、何か思い出したようにカウンターに近づく。
「金城さんとはそういうのではないんです」
「みちるがそう思ってるだけなんじゃないのか?」
他人の色恋沙汰が楽しいのか、清貴さんはにやにやする。
「金城さんと私とでは、全然つり合いません。ただご挨拶する程度の関係です」
「かたくなだなぁ。飯沼に何言われたか知らないけど、みちるは何も悪くないし、自信持っていい。好きな男に遠慮する必要ないよ」
飯沼さんが傷つけたから、私が恋愛に消極的だって、彼は思ってるみたい。
「飯沼さんは関係ないです。金城さんともわざわざお会いしたりしません」
「いい男に誘われたら、デートぐらいしてもいいんだよ」
「全部誤解ですっ」
「そんなに強く言わなくても」
あきれつつも、苦笑いする清貴さんは、コーヒーメーカーの前に移動する。いつの間にか出来上がっていたコーヒーをカップに入れ、テーブルに並べていく。
「朝からにぎやかだな。清貴、俺にもコーヒーを頼むよ」
「あ、兄さん、はやいな」
「仁志さん、おはようございます」
リビングに姿を見せた仁志さんに頭を下げる。遅くまで飲んでいたはずなのに、疲れた様子のない彼はいつもと変わらず、さわやかに微笑む。
「ああ、みちる。俺もトーストもらっていいかな」
「はい。先日、美味しそうな柿ジャムをいただいたので、仁志さんもよろしければ」
「それはいいね。そうしよう」
「すぐに焼きますね」
腕まくりする私から離れようとした仁志さんは、何か思い出したようにカウンターに近づく。