ひねくれた純愛 アイリスとカーライル
女は、
俺の指から煙草を取り上げた。
「彼女の旦那、
トーマス・ハミルトン教授が
死んでから
後ろ盾が無くなったので、
現在の地位が危ういみたい」

「へぇー、それで?」
俺は気のない返事で促した。

「もう一つ・・
トーマス・ハミルトンの秘密が
あるの」
女が出し惜しみするように
笑った。

「なんだ・・・・?」
俺はいかにも気がないが、
乗ってやっているという
そぶりで答えた。

「奥さんとの関係」
俺はうんざりと言った口調で
返した。

「若い女が好き・・・という
事だろう。
それもかなり若い・・」

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