ひねくれた純愛 アイリスとカーライル

「創設者の教授が死んだから・・
今の所長が彼女の存在を、
気に食わないのよね。

目の上のたんこぶっていうか、
外国人だし、なまじ優秀だし」

「なるほどね」
女は俺が乗ってきたと思ったのか、満足げに俺を見た。

「あなたの指導教官に
彼女を指名したのも、所長なのよ。
何か問題を起こせば、指導教官の責任になるし、
排斥の口実にはなるわね。

あなたは反抗的で、
ひねくれているのは有名ですもの・・・」

「はは・・それはひどい評価だな」
俺は笑ったが・・・

「俺を勝手に所長のカードとして使われるのは、気に食わないな・・・」
女にそう言うと、
腕組みをしてベッドに座り込んだ。

黒髪の人形は今、何をしているだろう。
本と書類の山に囲まれて眠っているのだろうか。
アイリスの香りに包まれて・・・
目を閉じているのか
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