クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「会ったのか?」
 ティメルがレーニスと会って話をしたことを咎めるような口調だ。

「ええ。飛竜のことで少し相談にのってもらいましたので」

「飛竜? 飛竜に何かあったのか」

「ええ。そちらも報告せねばと思っていたところです」
 デーセオは竜騎士用の騎士服の上着を脱ぎながらティメルの報告を聞いていた。

「なるほどな」
 着替え終わったデーセオは、使用人を呼びつけるとお茶を淹れるように指示をする。この人は本当に帰らないつもりだな、とティメルは察する。

「まあ、昨日は特別といったら特別だからな」
 そう思っているなら、帰れよと言いたいティメル。

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