クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 コンコンコン。と、ノックをする。

「どうぞ」

「片づけをしていたら遅くなりました。お待たせしてしまって、申し訳ございません」

「いいんだよ、レーニス。気にしないでおくれ。ほら、ルーカスの隣に座りなさい」

 クエバが優しい笑みを浮かべていた。この笑みの仮面に隠されている、真実の顔。レーニスはそれに気付いてしまった。だけど、それに気付いてしまったことを悟られないようにと、平常心を心掛ける。

「ご無沙汰しております、お兄さま」
 レーニスは、二つ年上の従兄弟(ルーカス)をお兄さまと呼んでいた。

「レーニスにそう呼ばれるのは、久しぶりだね」
 ルーカスも笑顔の仮面をつけて、そう言った。

「ずっと、お会いできていませんでしたからね」
 レーニスも負けずに笑顔の仮面をつけた。

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