クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 デーセオは隣に座るレーニスを勢いよく抱き締めた。

「だ、旦那様?」

 レーニスは驚いて腕の中で彼を見上げると、デーセオは耳元で「俺以外にその顔を見せるな」と、向かい側にいるティメルに聞こえないように呟く。それに驚いたのか、彼女の涙はぴたりと止まる。

「あの、取り乱しましてしまってすいません」

「落ち着いたならいい」
 デーセオはゆるりとその腕を解くと、どこからかコホンというわざとらしい咳払いが聞こえた。
「デーセオ様は、私の存在を忘れておりませんかね?」

「忘れてはいない。だから、邪魔なんだ」

「邪魔って。そもそも私を呼び出したのはデーセオ様ではないですか」

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