クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「レーニス」

 隣のルーカスが優しく声をかける。

「あまりそうやって自分を卑下するものではないよ。君には君のいいところがある。そこに惹かれる人だっているはずだよ」

「お兄さま、ありがとうございます。お兄さまにそう言っていただけて、嬉しいです」
 レーニスは目尻に溜めた。両親が亡くなったときのことを思い出して、涙を制御する。

「あの。少し疲れてしまったので、部屋に戻ってもよろしいでしょうか」

「ええ。もちろん。夕食の準備ができたら呼びに行くから、それまでゆっくり休んでいなさい」
 クエバが笑顔で言う。恐らくこの笑顔は本心だ。レーニスが結婚について前向きに検討している、という言葉を手に入れたから。

「あの、伯母様。少し、お部屋を片付けたいのですが。お掃除をするための道具を貸していただけないでしょうか」

「まあ。そういうことは侍女に頼みなさい」
 ロイスも機嫌が良さそうだ。そう言うなら、最初からあの部屋を掃除しておいてくれればいいものの。
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