クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「レーニス、ここが北の集落だ」
 言いながら、デーセオは腕の中のレーニスを解放した。
「レーニス、皆に顔を見せてやってくれ」

「あ、はい」
 風よけのフードをかぶっていたレーニスはそれを脱いだ。

「皆さん、初めまして。このたびデーセオ様に嫁ぎました、レーニスと申します」
 こんな挨拶で良かったのだろうか、と思い、デーセオの方を見上げると彼は満足そうに頷いてくれたので、少しだけ安心した。

「まず、この集落の長に挨拶をして、現状を確認する」

「はい」
 デーセオが差し出した手を黙って握るレーニス。そして、集まった民たちの方に歩み寄って、幾言か言葉を交わす。
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