クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
解呪者の不在
 この世界には、剣を振るい、その剣で国と重鎮たちを守る騎士がいる。また、魔術師と呼ばれる不思議な術を扱う者がいる。この不思議な術は呪いだったり魔法だったりと呼ばれるもの。そして、魔術師とは異なる聖なる力で人々を癒す聖女様。
 騎士、魔術師、聖女、これがこの世界と国を護るための特別な存在の人間たちだ。

 その特別な人間の一人であるデーセオという男。彼は竜騎士である。竜騎士とは飛竜と呼ばれる竜を扱える、騎士の中でもさらに特殊な騎士である。
 その竜騎士である彼は今、このクレイデル王国の王都にある神殿へとやって来た。
 隣国との争いで、そこの魔術師に呪いをかけられてしまったからだ。こういった呪いを解く、つまり解呪(かいじゅ)は聖女にしか行えない。もしくは、その呪いをかけた魔術師の命を奪うか、のどちらかである。

 デーセオは深くフードをかぶり、顔の上半分を隠していた。髪の色も白銀とこの王都では特殊な色であり、さらにその呪いを人の目に触れさせないように。このように太陽がまぶしく輝き、街を明るく照らしているような日には、あまり外を出歩きたくない。だが、今日は仕方ないと思ってあきらめていた。

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