クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「レーニス殿をお願いしたい」

 神殿の受付でデーセオは担当の神官に声をかけた。
 この神殿では解呪を行っているという聖女がいると耳にした。だが、聖女にその解呪を頼もうとしたら断られた。

 聖女様は忙しい、というのが理由だ。

 すると、他にも解呪を得意とするレーニスという聖女候補がいることを、人伝いに聞いた。そのため、彼女に解呪を頼みたいと神殿に申請したところ、そのレーニスは引き受けてくれた。
 そのときの神官も「レーニス様が快く引き受けてくださいました。申し訳ありませんが、呪いについて詳細を教えて欲しいとのことです」と言い、何やら紙を一枚渡してきた。
 どうやらその呪いの種類を調べ、その解呪方法を確立させるために三月程度の時間を必要とするらしい
 デーセオは呪いを受けた日時、それから呪いをどのようにして受けたか、どのような症状が出ているのか、ということをきちんと書いてその紙をこの神殿の神官に手渡した。
 三月後に解呪してもらうという約束をしてその日はこの神殿を後にした。
 そして今日がデーセオにとって、解呪してもらえるという日だった。わざわざ辺境の地からこの王都まで、馬車で三日もかけてやってきたわけである。

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