クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「待たせて悪かった」
 と言うと、彼女は「いえ」と言う。
「飛竜さんとお話をしていまいたから」

「お前。レーニスに余計なことを言うなよ」
 もちろんデーセオは飛竜への威嚇も忘れない。

「日が沈みきる前に戻ろう」
 デーセオが彼女に手を差し伸べるのも無意識だし、その手を取るのも彼女にとっては当たり前のことになっていた。

「レーニス。今はこれしかないが、無いよりはましだと思う。使ってくれ」
 デーセオが差し出したのは、彼が使っていた皮の手袋。飛竜に乗り、馬に乗り、その手綱をしっかりと握るために必要なそれ。

「ですが、それでは旦那様が」

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