クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「そのような者はおりません」

 受付の神官の答えはそれだった。

「いや。いないわけはないだろう。三月前に解呪の依頼をしたんだ。デーセオ・フルヘルトと言えばわかるか」

「デーセオ・フルヘルト様、ですね。デーセオ、デーセオ……」
 受付の神官は、帳簿のようなものをパラパラとめくり始めた。

「ああ、ありました、ありました。デーセオ・フルヘルト様。辺境の竜騎士様」
 竜騎士と知り、受付の神官の顔色も少し変わる。

「そうだ。今日が彼女に解呪を行ってもらう日だったはずだ」
 デーセオは受付の前にある小さなカウンターのようなところに肘をかけ、頬杖をついて受付の神官を見た。再び、神官の顔色が変わったように見えた。
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