クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
不器用な夫婦
 呪いを解かなければ霊廟へ彼女を案内することはできない。そしてその呪いを解くことができるのはレーニス。残っている呪いはあと一つだけ。顔の上半分を覆っていた複雑な模様の刺青のような呪いは、今はうっすらと痣のように残っているだけ。だから今日、子供たちも怯えることはなく、ああやって花束を手渡してくれたのだ。

 レーニスに霊廟を案内するのは、まだまだ先のことになるだろう。となれば、王城へ行き結婚の報告をする方が先か。

「その。王城へは私も?」
 国王陛下からの呼び出し状が届き、それの理由が結婚したことを報告しろという内容であれば、妻となったレーニスも一緒に、と考えるのが妥当だろう。

「いや。お前を連れていくつもりはない。むしろ、連れて行きたくない。お前を陛下に紹介するのは、気が引ける」
 という言葉をレーニスが耳にしたとき、やはり自分はこのデーセオの妻としても不適格な人間なのではないかと思えてきた。そもそも、金で買われた女なのだから。
< 234 / 318 >

この作品をシェア

pagetop