クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
あのとき、聖女様から突き付けられた言葉が思い出される。
――あなたにはもう、聖なる力はありません。聖女候補として、不適格です。
「そう、ですよね。旦那様は私によくしてくださっていますが、所詮、金で買われた女ですから……」
普段ならもう少し言葉を選ぶところであったにも関わらず、その本音がボロっと零れてしまったのは、デーセオから言われた言葉が悲しかったから。
もちろんレーニスからその言葉が出た時にあたふたし始めたのはデーセオである。
「すまん、その、そういう意味ではないんだ。その……、あ、あれなんだ。お前を他の男に見せたくない、というか。その、王都は華やかだから。お前に興味を持つ男がいるかもしれないし、その、あ、あれだ……」
それだけでレーニスは夫の言いたいことをなんとなく察した。恐らくこの夫は、見知らぬ他の男性に嫉妬をしているのでは、ということを。
――あなたにはもう、聖なる力はありません。聖女候補として、不適格です。
「そう、ですよね。旦那様は私によくしてくださっていますが、所詮、金で買われた女ですから……」
普段ならもう少し言葉を選ぶところであったにも関わらず、その本音がボロっと零れてしまったのは、デーセオから言われた言葉が悲しかったから。
もちろんレーニスからその言葉が出た時にあたふたし始めたのはデーセオである。
「すまん、その、そういう意味ではないんだ。その……、あ、あれなんだ。お前を他の男に見せたくない、というか。その、王都は華やかだから。お前に興味を持つ男がいるかもしれないし、その、あ、あれだ……」
それだけでレーニスは夫の言いたいことをなんとなく察した。恐らくこの夫は、見知らぬ他の男性に嫉妬をしているのでは、ということを。