クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 確認するかのようにシニスが言った。それにデーセオは「はい」と答える。

「手を」

 シニスの言葉に従い、デーセオは両方の手のひらを上に向けて前に出した。その手の平に、シニスが手を合わせる。少し冷たい聖女様の手。
 本来であれば、合わせたその手が次第にぽかぽかと熱くなるはずだった。はずだった、ということはならなかった、ということ。いくら待っても、ぽかぽかと熱くならない。
 目の前のシニスが苦しそうな表情を浮かべている。しばらくそれを続けていたが、ふいにシニスがデーセオの手を離した。

「この呪いは、隣国の魔術師にかけられたものですよね」

「はい」

 シニスが難しい顔をしている。何か問題でもあったのだろうか。

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