クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「この呪い……。私では解呪ができません」

「何?」
 デーセオが眉根を寄せて、シニスを睨んだせいか、彼女は「ひっ」という変な悲鳴を上げて一歩引いた。

「解呪できないとはどういうことだ?」
 できるだけ聖女様を驚かさないように、デーセオは穏やかに尋ねた。ただでさえ、彼の顔は怖いと言われている。しかも、顔にはその呪いの模様が、黒い刺青のようなもので、額から目の下のあたりにかけて複雑に刻み込まれている。だからデーセオは、普段からも顔を隠すようなフードをかぶっているのだ。その呪いの模様を人の目に触れさせないように。

「言葉の通りです。申し訳ございませんが、私にはこの呪いが解呪できません。この呪いは幾重も重ねがけがされているため、私の聖なる力では無理なのです」

「だが、レーニス殿なら解呪できるかもしれない、ということで俺の解呪を引き受けてくれた。そして三月(みつき)も待った。にも関わらず、解呪できないというのはどういうことだ。聖女様であるにも関わらず、だ」
 デーセオはその目を尖らせてシニスを見つめた。

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