クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「ですが、もう聖なる力はありません。聖女にならなかった元聖女候補で無く、聖女候補を解かれた元聖女候補なのです」
 彼女が言わんとしている意味はわかる。聖女候補を解かれた元聖女候補は、その聖なる力が偽物だったと、そう影口を叩かれるということも。

「それもわかっている。だが、俺が欲しいと思った。それではダメか」

「いえ」

 欲しい、という言葉にレーニスはドキリとした。力を失った聖女候補が欲しいとは、どういう意味か。あのルーカスの下卑た笑いが思い出された。

「何か不便なことはないか?」

「え?」

「まだ慣れないとは思うが、不便なことがあればサンドラやティメルに遠慮なく伝えてくれ」

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