クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「ああ、そこに置いてくれ」
 右手を伸ばし、そこを指示する。はい、と返事をしたレーニスはデーセオが指示した場所に手際よくお茶を置いた。

「あの、旦那様。少し、お話をしたいのですが、その、お時間はよろしいでしょうか?」
 ティメルから聞いていたことと一致する。どうやらレーニスがデーセオと話をしたいと思っている、ということ。

「見ての通り、俺は忙しい。手短に」
 と答えるデーセオは、我ながら逃げているなとも思っていた。

「あの。旦那様は、どうして私をお選びになったのでしょうか。その、聖女候補としての聖なる力を失った私を」

 やはり、その件か。デーセオは少し間を置いてから。
「お前が元聖女候補だからだ」
 とだけ答える。

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